離婚の基礎知識【Q&A】
1協議離婚の割合はどのぐらいなのですか。
日本では、話し合いによる離婚(協議離婚)が約90.5%で、家庭裁判所の調停による離婚(調停離婚)が約8.5%です。
残りの約1%が裁判(裁判離婚)によって離婚が決められています。
2離婚の方法はどのようなものがありますか。
1)協議離婚
夫婦間の合意によって離婚する方法。ふたりが離婚に合意し、離婚届を市町村役場へ届け、受理されると離婚が成立します。
2)調停離婚
夫婦の一方が離婚に同意しない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てます。家庭裁判所で調停委員が双方から事情を聞き話し合いをします。離婚条件について検討し、その過程で合意に達すれば離婚が成立します。親権者の決定、養育費、慰謝料など離婚に関する様々な問題を同時に解決することもできます。
3)審判離婚
調停で合意が得られなくても、離婚するのがよいと家庭裁判所が判断すれば、離婚が成立することがあります。しかし審判に不服がある場合、2週間以内に異議を申し立てれば審判は効力を失うという弱点もあり、あまり利用されていません。
4)裁判離婚
最終的に地方裁判所に離婚の訴訟を起こすことができます。
裁判で離婚が認められるためには、不貞行為などの民法で定められた離婚原因のどれかに当てはまっていることが必要です。
ただし、裁判官の勧めにより和解が成立することもあります。
3民法で定められた離婚原因にはどのようなものがありますか。
民法第770条第1項
「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。」
1)配偶者に不貞な行為があったとき。
2)配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
4「悪意で遺棄されたとき」とはどのような場合を言うのですか。
夫婦には一緒に暮らさなければならない同居義務や助けあわなければならない扶助義務、協力義務があります。
これらの義務を倫理的に見て、非難されるような理由で行わないものを指し、「悪意」とは、道義的に見て許されないことという意味です。具体的な事例として次のようなものがあります。
1)生活費を稼がない、渡さない。
2)妻を虐待する。
3)愛人の家に入り浸りで帰ってこない。
5離婚する前に決めておかなければならないことにどのようなものがありますか。
1)子供の問題(未成年の子供がいる場合)
・父か母、どちらが親権者になるのか。
・父か母、どちらと住むのか。
・子供の戸籍と姓はどうするのか。
2)金銭の問題
・養育費〜子供が成人するまでの養育費の支払い方法をどうするのか。
・慰謝料〜離婚に至る原因をつくった相手に請求する。
一括払いか分割払いか。
・財産分与〜夫婦の財産をどう分けるのか。
3)戸籍の問題
・離婚後、相手の姓を名乗るのか、旧姓に戻るのか。
・旧姓に戻る場合、新戸籍をつくるのか、親の戸籍に戻るのか。
・子供の姓はどうするのか。
6調停離婚を申し立てた動機にはどのようなものがありますか。
※夫の申し立て動機ベスト5
1)性格が合わない
2)異性関係
3)家族親族と折り合いが悪い
4)異常性格
5)浪費する
※妻の申し立て動機ベスト5
1)性格が合わない
2)暴力をふるう
3)異性関係
4)精神的に虐待する
5)生活費を渡さない
7親権者ってどういう意味なのか。
親権者というのは、子供を育て、教育し保護する人を言います。
結婚中は両親が共に親権者でしたが、離婚後はどちらか一方が親権者になります。協議離婚の場合、未成年の子供がいれば、父か母のどちらかを親権者に定めなければ、離婚届は受理されません。
8面接交渉権ってどういう意味なのか。
親権者も決まり離婚が成立した後、親権者にならなかった方の親、つまり現実に子供と生活を共にしていない親が、子供と接触する権利を面接交渉権と言います。
面接交渉権は、原則的に夫婦が話し合って決めることです。
ただし、一方がそれを認めない場合など話し合いができないときは、家庭裁判所に調停の申し立てをします。
そして、具体的に面接の方法や回数などの内容を取り決めます。
9養育費ってどういう意味なのか。
養育費とは、子供を養い、育てるための費用です。
養育費は親の義務であり、たとえ経済的に困窮していても自分の生活を維持できる以上は養育費を払わなければなりません。
もし、あなたが子供を引き取った側なら、親権者として未成年の子供に代わって、父親へ養育費を請求しましょう。
10養育費ってどのくらいもらえるのか。
夫から妻へ支払う養育費の月額は、4〜6万円が多いです。
子供1人の場合は2〜6万円以下が多く、2人の場合は4〜6万円が多いです。こんな額では育てていけないという声もあるでしょうが、それが現実です。
しっかりと話し合いのうえで必要な額を請求して、1円でも多く勝ち取る努力をしてみることです。
11養育費の支払い方法について
支払い方法は、一時金払いに比べて、月ごとの分割払いが圧倒的に多いです。
銀行や郵便局などに子供名義の口座をつくり、そこに振り込んでもらうのが1番だと思います。
12親権者の母親が再婚すると前夫からの養育費はもらえないのか。
子供の養育費は、子供と父親の親子関係に基づいて、父の子供に対する扶養義務として支払われるものです。
母親が再婚しようとも、父と子の関係には何ら変わりなく、父親には子供を扶養する義務があります。
ですから、母親が再婚するからといって、父親の養育費支払い義務はなくなりません。
13慰謝料ってどういう意味なのか。
慰謝料というのは、結婚生活の中で一方が受けた心身の痛みや苦しみを和らげ、回復するためにもう一方が支払うべき金銭のことです。
簡単に言えば、離婚の原因をつくった加害者側が、被害者側に支払う損害賠償金なのです。
ですから、例えば妻の浮気で夫が精神的な痛手を受けたということで、夫側が請求する場合もあります。
14財産分与ってどういう意味なのか。
財産分与というのは、結婚後に2人の協力でできた共有財産を分け合うことです。ですから、普通、結婚生活が長いほど財産分与額も一般的に多くなります。
15専業主婦の場合、財産分与ってもらえないのですか。
家も貯金通帳も夫名義になっていたとしても財産分与を請求できます。妻として目に見える収入がない場合でも、結婚生活中で妻の寄与や助けがあったからこそ貯蓄できた財産なのですから、当然評価されるべきです。
家庭裁判所の判例では、妻の寄与、貢献度を調査して、評価額を提示しています。



